« JAMA Vol. 295 No. 7, pp. 723-850, February 15, 2006 | メイン | コンピューターだけでなく、薬品開発でもバックアップが重要 »

Synta社の上級副社長・古屋圭三様からのメッセージ

Johnson & Johnson社が貧血治療薬・Procrit(エリスロポエチン)の営業人員を縮小するようです。

Amgen社がEpogenに続いてAranespというバックアップ製品を開発できたのに対し、J&J社はProcritの続くバックアップを開発できませんでした。

それがJ&J社の貧血事業が廃れ行く大きな原因だと思います。明日の前書きでこのへんを少しまとめたいと思います。

さて、

昨日お知らせしましたように、今日は、米国のバイオベンチャー・Synta社の薬剤開発部門で上級副社長をされている古屋圭三様からのメッセージを紹介します。

古屋氏は、BioTodayの有料会員様です。会員登録の手続きについてメールをやりとりしている時にSynta社の上級副社長であることを知りました。

Synta社のシニアマネージメントは12人で構成されていますが、その中でただ一人の日本人です。しかも社長に次ぐ重要ポストで研究開発を指揮しています。


この事実を知ったときに、古屋様のことがとても知りたくなりました。


米国バイオテック業界の熾烈な競争の中で、Synta社の薬品開発を統括する立場として古屋様がどう考え、どう行動しているのか?がとても知りたくなったのです。


そこで早速、

メールでのインタビューを申し込んだところ、快諾して頂き、以下のようなコメントを頂きました。


> インタヴューの件、ありがとうございます。
> (自身の経験を伝えることで)日本の医薬研究開発に携っている多くの優秀な
> 人たちに、夢と希望とグローバルな視点をもっていただけたらと思います。

熱い方です。

いくらネットで情報が瞬時に入ってきても、それは表面的なことであって、なかなかアメリカのバイオテックで働く人々の“ハート”や“熱気”は伝わってきません。

すなわち、アメリカのバイオテックの住人が実際にどう思い、どう活動しているのかはなかなか日本には伝わってきません。

今後数回にわたって、古屋氏のインタビューを掲載していこうと思います。

古屋様へのインタビューを通じて、古屋氏自身の熱気と共に、古屋氏自身をとりまくアメリカのバイオテックの住人の熱気が伝えられたらと思います。

まず今日は、プロローグとして、BioTodayへのコメントと、Synta社の事業内容の解説と将来の展望について古屋氏に語って頂きます。

それではプロローグの始まり。


[ここから古屋様のコメント]----------------

◇BioToday.comの活用法について

新鮮な正しい情報を的確に把握し、より意義のある新薬研究開発に活かすことは、このグローバルに激動する医薬研究開発および医薬ビジネスにおいては必要不可欠です。

私は、常に複数の欧米の無料のウェブニュースを利用し、さらに有料ニュースレター、有料の医薬データベースのオートサーチ等を利用していますが、多角的な情報収集において、BioTodayは重要な役割を果たしています。

役に立つ情報を、業界情報とサイエンテフィック情報両面から、網羅的に、しかも的確かつ簡潔に紹介していただいており、有効に使わせていただいています。

◇Synta社について

Synta Pharmaceuticals Corp は、100パーセント米国の新規製薬ベンチャー企業として、2002年の秋に創設されました。その後3年で、200億円以上の非VC(ベンチャーキャピタル)資金を集め、未上場のバイオテックとしての記録を塗り替えたばかりでなく、3つの新薬候補を臨床試験に進め、充実したパイプラインを創り続けています。

ユニークな化合物ライブラリーおよび効率的かつ機動的なディスカバリーエンジン、さらにアグレッシブな臨床開発の機能、それらが効率よくインテグレートされた機動力のある会社です。

アメリカバイオテック界においても、非常に稀な、高度なサイエンス、機動力、豊富な資金、人材・組織を有した、ターボチャージのミニ製薬研究開発会社です。

ピカ新とも言うべき経口の特異的IL-12/23阻害剤(anti-autoimmune)がPhase2b(Crohn's disease)にあり、RAのPoC Phase 2aも開始しました。

また、新規のHsp70インドューサー(NKアクティベーター)をTaxane Enhancerとして開発しており、メラノーマでのPhase 2bを実施しています。

パイプラインも、制癌剤関係では、世界最強かつユニークなHsp90 inhibitorや癌血管阻害剤が前臨床段階です。

免疫薬関係では、免疫細胞に特異的な新規CRAC(カルシウムチャンネル)の選択的かつ強力な阻害剤を開発しており、自己免疫疾患のみならず、喘息やアレルギーなどへの展開も図っています。

今後、Synta社からのエキサイティングなニュースをお届けできるものを思います。

今後とも、引き続き、更に有効なBioTodayからの情報の提供を期待しています。

-------------------------[ここまで古屋様のコメント]

いかがでしたか?熱い方であることが文章の端々に滲み出ているでしょう。

このような熱心でバイタリティーのある方がBioToday.comの会員であることをとても誇りに思います。

次回からは、古屋氏がSynta社の上級副社長になるまでの経緯と現在の活動、将来の展望、日本のバイオ産業に寄せる思いなどを熱く語って頂きたいと思います。


ところで、

バイオテック業界人へのインタビューはBioTodayにとっては初の試みです。

続くのか?続けられるのか?という一抹の不安はあるものの、実は、BioToday.comの目玉コンテンツとしてこのような「バイオ業界人インタビュー」を継続的に実施していきたいと思っています。

もし「俺の会社、または俺をインタビューしてくれ」という方がいましたらお知らせ下さい。私の方からもメールさせて頂きます。


そんなわけで、バイオ業界人インタビューの栄えある(?)トップバッターは古屋氏となりました。

古屋氏インタビューの第1回目は来週水曜日頃に配信する予定です。

お楽しみに!

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