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コンピューターだけでなく、薬品開発でもバックアップが重要

昨日のSynta社の古屋様からのコメントはいかがでしたか?

以下に、古屋様の写真入りで昨日のコメントをまとめています。ぜひご覧下さ
い。

 ▽Synta社の上級副社長・古屋圭三様からのメッセージ

さて、昨日の続きです。

Amgen社がEpogenに続いてAranespというバックアップ製品を開発できたのに対し、J&J社はProcritに続く製品を開発できませんでした。

ただ、何もしなかったわけではありません。

かつては、ドラッグデリバリーの会社・Alkermes社と提携してProcritの持続製剤を開発していました。

しかし1998年1月から始まったこの提携は2000年6月に突然打切られてしまいます。提携解消の具体的な理由は説明されていません。

 ▽Johnson & Johnson to Terminate Further Development of Injectable Sustained Release Formulation of Erythropoietin

その後どうするのかなと思っていたら、Alkermes社との提携を解消した翌年に、J&J社はデポ技術保有しているALZA社を2001年に買収します。

当時私はこのALZAMER技術を用いて持続型エリスロポエチンを開発するんだろうと思っていました。

しかし、その後、J&J社がALZA社のデポ技術を用いて持続型のエリスロポエチンを開発するというニュースは発表されませんでした。

そんな感じで、

J&J社は、Procritのバックアップ製品の開発でAmgen社に遅れをとり、Aranespの発売後はProcritのシェアはじりじり縮小していっています。

このままでいいのかJ&J?おそらくどうでもよいはずが無いでしょう。


ところで、

Amgen社やJ&J社の貧血薬はエリスロポエチンそのものをベースにしていますが、エリスロポエチンとは全く異なる一風変わった貧血治療物質が存在します。

それは、Affymax社のHematideという造血ペプチドです。

Hematideのアミノ酸配列はEPO(エリスロポイエチン)とは全く関係ないのに、不思議なことに造血作用を発揮します。

戻ってJ&J社ですが、

彼等が現在の貧血市場でのシェア縮小を放っておくとは考えにくいです。おそらくバイオベンチャーが開発中の次世代の貧血治療薬をProcritのバックアップにひっぱってくるように思います。

その場合、Affymax社のHematideはProcritの候補の一つかもしれません。または、昨日、CEOの交代が発表されたNeose社の糖/ペグ化エリスロポエチン・NE-180等もバックアップとして相応しいでしょう。

Hematideは第2相試験中でNE-180は第1相試験中。今後提携の動きがあるかもしれません。注目していきたいと思います。

特にHematideの臨床開発は、J&J社だけでなくおそらくAmgen社も注目しているでしょう。

以上、今日の前書きでした。

明日は、Affymax社の不思議な造血ペプチド・Hematideの開発の歴史を簡単に紹介したいと思います。

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