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富める国の人間にアフリカの女性器切除を批判する資格はない

15日のBMJに、女性器切除(FGM)の自己報告と実際のFGMの程度は合致しないことや、WHOのFGM分類はFGMの実際の重症度と合致しないことを示す研究成果が発表されています。

 ▽女性器切除(FGM)の自己報告を信頼してはならないし、WHOのFGM分類はFGMの実際の重症度と合致しない
  http://www.biotoday.com/view.cfm?n=14078

一見地味だけどとても有意義な研究だと思います。こういう地道な労力を厭わない研究が世界を変えていくんだろうと思います。

さて、

この報告に関連したBMJ誌のEditorialに、アイルランドのRonán M Conroy氏が、富める国の人間が伝統的に実施されているFGMを非難する資格が果たしてあるのか?という論調の報告を発表しています。

西欧諸国では19世紀に不眠、不妊、不幸せな結婚、精神疾患の治療と称して女性の割礼が実施されてきたという紛れもない歴史があります。

また、Royal College of Surgeonsの学長まで上り詰めた著名なJonathanHutchinson氏はマスターベーションによる精神的に有害な作用を防ぐために、割礼や割礼以上に過激な方法を熱心に勧めていました。

もっとも最近では、1953年にケンタッキー州で12歳の女性に対して医学的な割礼が施されています。

Conroy氏は、このような、性的に抑圧的なFGMの使用の歴史が、他の国々の文化におけるFGMの役割の誤解を招いてしまっているのではないかと考えています。

富める国での“不適切な”割礼の使用は今ではすっかり解消しているのでしょうか?そうともいえないようです。

現在、膣の形を変えたり、外陰部をより子供のように見せる新手の美容外科が“先進国”で行われるようになってきました。

つまり女性は、男性のマスターベーションの幻想にフィットするように、損なわれているのです。

これぞ、我々の文化における手術による“最新”の女性虐待の形かもしれません。Conroy氏は、伝統的なFGMを批判する前に、この美容的なFGMの問題に取り組んだらどうか?と疑問を投げかけています。

Conroy氏もEditorialで紹介しているように、大人であることのシンボルまたは男性・女性として社会に参加するための通過儀礼として、伝統的なFGMは文化的に重要な意味を担っています。

したがって、FGMの根底を流れる文化的意義を攻撃するのは賢い方法ではなく、それよりは、通過儀礼の形式をどうかえていくかに注意を傾けた方が良いとConroy氏は主張しています。

Conroy氏は決してFGMを容認しようといっているのではありません。一方的に批判するのではなく、概念を適切に認識した上でFGMの問題に取り組んでいく必要があると考えています。

Editorialの最後をConroy氏は以下のように結んでいます。

「WHOはFGMを“文化、宗教、その他の非治療的理由によって女性の外性器を全部または部分的に削除、あるいは女性器に傷を付けること”と定義しています。

“病気の行商”を通じて、自然な生物学的な差を欠損と決め付けることで女性に恐怖心を与え、FGMを推進してきたのは他でもない西洋医学なのです。」

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 http://www.biotoday.com/reader_entry.cfm


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