NEDOフェローの活躍
古いのですが、2005年11月14日の日経ビジネス「虚妄の大学発バイオベンチャー」を読んでいます。
この号の中で、30-31ページに「税金で起業した青年社長」という記事があります。
大阪大学工学部を卒業して、NEDOフェローとなり、2社のバイオベンチャーの立ち上げに関わった黒川氏に関する皮肉たっぷりの記事です。
NEDOフォローとは、NEDOから給料をもらいながら、TLOなどで大学保有特許のライセンシング業務やベンチャーの事業計画を練る仕事を担当します。
NEDOフェローは、事業案を練るだけでなく、実際に大学発ベンチャーに経営者として参画することができます。
NEDOフェローの黒川氏も経営に参加しました。2社とも社長として参画しています。
2社とも上場すれば、黒川氏が保有する株式の時価総額がおよそ5億以上になるとのことです。
この上場益を見越して黒川氏は1億4000万円の家の購入も決めているとか。
5億もの見返りに値するかどうかは別にして、黒川氏は2社の資金集めや事業計画書の作成でかなり一生懸命働いたようです。
ただし、集めた資金には国からの補助金が多く含まれているとのことです。
実に、2007年までに国から4億3000万ドルを確保できる予定とのことです。
今後も、国の補助金を積極的に利用して会社の設立を助ける第2、第2の黒川氏が出現してくるでしょう。大学発バイオベンチャーにとっては良い動きだと思います。
ただ、多くの税金が使われているだけに、投資金額と、そのリターンがどれほどのものなのかを定期的に分かりやすく説明して欲しいと思います。