抗癌ウイルス
今日初めてメルマガを読む方、はじめまして。いつも読んでいただいている方いつもありがとうございます。
Onyx社とBayer社の腎細胞癌治療薬・Nexavar (sorafenib) がFDAに承認されました。
Onyx社といえば抗ウイルス・ONYX-015が有名なのですが、この名前を知っている人はもう少なくなっているかもしれません。
ONYX-015の開発の歴史は以下に詳しく載せています。
http://www.biotoday.com/view.php?n=555
Onyx社は後にPfize社に買収されることになるワーナーランバート社とONYX-015を共同開発していたのですが、Pfizer社による買収で提携が解消されてしまいました。
その後XOMA社と組んでONYX-015の生産量を上げるなどの努力をしていたのですが、結局大規模製造方法の確立もうまくいかず、ワーナーに代わるパートナーも見つけられずで、開発中止となってしまいました。
XOMA社が大量生産工程をはやく確立すればパートナーを見つけられたんじゃないかと思っているのですが、それは叶いませんでした。当時は「XOMA社サボるな!」とか思っていましたが、本当に大量生産は難しかったのかもしれません。
さて、
Nexavarが承認されたわけですが、ファイザー社の競合品・Sutentが発売される前にできるだけシェアを獲得しとこうという意気込みがプレスリリースからも伺えます。24時間以内に患者のもとに薬が届くようにするというのですから。
このへんの根回しは相当時間かけたのではないかと思います。
ファイザー社のSutentは8月に承認申請され、プライオリティレビューの対象になっています。したがって、来年の前半には承認される可能性があります。
営業の規模からいってもファイザー社の方が上でしょうし、しかもSutentの方が効果も優れているようです。
先に発売することはできたものの、Sutentが承認されればNexavarは来年かなり苦戦を強いられそうです。
こういう場合のOnyx、Bayer軍がとるべき戦略はどういう方法が考えられるのでしょうか?
ちょっと考えた結果、いっそのことPfizer社とアライアンスを組んじゃえば良いのかなと思いました。
真っ向勝負しても勝てそうにないので、併用の効果を調べる市販後臨床試験を実施して抱き合わせ販売すればシェアも伸びるかなと。