戦争が引き裂いた仲
【戦争が引き裂いた仲】
さて、昨日Schering社とSchering-Plough社のことに触れましたら、何通かメールを頂き、両社の関係についてさらに詳しく知ることができました。
メールありがとうございました!
沿革はシェリング・プラウ株式会社の以下のURLに掲載されていました。
http://www.schering-plough.co.jp/company/spkk/spkk_enkaku.html
1928年にドイツのSchering社のアメリカ支店として設立された後、戦後に、連合国にアメリカ支社が財産を没収され、その後民間に払い下げられ、後にプラウ・インクと合併してSchering-Ploug社が誕生したとのことです。
アメリカのMerck社も元を辿るとドイツのMerck社が起源のようです。
Schering-Plough社と同様に、ドイツMerck社のアメリカ支社が戦後に没収され、競売によって現在のMerck社が誕生しました。
恥ずかしながらドイツMerckとアメリカのMerckの関係についても今まで知りませんでした。
大変勉強になりました。
次から前書き2パート目です。
【Arena社が抗肥満薬・APD356の第2相試験で良好な結果】
「神経工学投資ニュースレター 2005年10月31日号 特集:肥満」で注目の会社として取り上げられたArena社が抗肥満薬・APD356の後期第2相試験の結果を発表しました。
最高用量(20mg/日)の12週間(3ヶ月)投与で体重がおよそ3.5kg低下しました。
3ヶ月という短期間で3.6kg低下は良い結果なのではないかと思います。また、キチンと用量相関性が認められています。
抗肥満薬といえばSanofi-Synthelabo社の抗肥満薬・Acomplia(rimonabant)ですが、Acompliaは1年間の投与で体重が平均9.8kg減っています。
http://www.biotoday.com/view.php?n=2817
長期試験でAcompliaぐらいの体重低下を達成できれば、APD356は大変期待できると思います。
初期第2相試験の結果が2005年10月18日に発表されましたが、この結果を見てAPD356にがっかりきた人も多かったのではないかと思います。
http://www.biotoday.com/view.php?n=9769
初期第2相試験のAPD356の投与量は1、5、15mgでした。この結果15mgでしかプラセボと有意差がつきませんでした。
Arena社はこの初期第2相試験の結果を受けて、用量をあげて10、15、20mg/日で後期第2相試験を実施しました。
この戦略が功を奏し、後期第2相試験では良い結果が得られました。投資家の信頼も回復して株価も上昇しています。
さて、APD356は長期服用すればするほど体重が減るのでしょうか?
初期第2相試験では15mg/日の4週間投与での体重低下量が1.3kgでした。今回の後期第2相試験では15mg/日の12週間の投与で2.6kg低下でした。減量スピードは落ちていますが、投与数週間で体重低下が頭打ちということはなさそうです。
この結果を受けて、Arena社はFDAと第2相試験終了時面談を実施し、来年には第3相試験を開始する予定です。
Arena社は「神経工学投資ニュースレター 2005年10月31日号 特集:肥満」で詳しく解説しています。