Amgen(アムジェン)とCephalon(セファロン)の共通点
今日の「注目の記事」で紹介していますが、主力製品・PROVIGILとの特許係争でCephalon社はBarr社とも和解を達成しました。
これで、ジェネリックチャレンジャー4社との戦いが終了し、Provigilのパテントは2011年10月まで無傷でいることができます。
Cephalon社は神経工学投資ニュースレターの2005年12月31日号で注目の会社として詳しく解説されています。
▽神経工学投資ニュースレター 2005年12月31日号
上記ニュースレターでは、Cephalon社の新規市場を開拓していく能力と高いマーケティング能力が評価されていますが、今回、4社のジェネリックチャレンジャーとのタフな取引を成功裏に終了させたことで、彼等には非常に強力なネゴシエーション能力が備わっていることが証明されました。
Cephalon社はPROVIGILのバックアップ製品・Nuvigilを開発しており、Nuvigilは近日中にアメリカFDAに承認される見込みです。
もしジェネリックチャレンジャーとの交渉が上手くいかなかった場合にはPROVIGILからNuvigilへの切り替えを早急に進める必要がありましたが、今回全てと和解を達成したことで、この切り替えは十分に時間をかけて行うことができます。
Amgen社の例を見ると良く分かるように、バイオベンチャーにとっては、いかにバックアップ製品をタイミングよく開発できるかが成長の鍵を握っています。
Amgen社は、Epogenの後にAranespを発売して、貧血領域では圧倒的なシェアを獲得しています。また、Neupogenの後にNeulastaをタイミングよく投入できており、特定領域でのプレゼンスを拡大させることを確実に成功させています。
バックアップ製品を抜かりなく、しかもタイミングよく開発しているところなど、Cephalon社はAmgen社にとても似ています。
またAmgen社は、経口薬がメインである市場の中で、「注射しなければならないタンパク質なんて売れっこない」という大方の予想を裏切ってEpogenを大成功させました。
一方Cephalon社は、過度の昼間の眠気という新規市場においてProvigilを成功させました。
そういう新規市場の開拓という点でもAmgen社とCephalon社は似ていると思います。
新規市場における卓越したマーケティング能力、強靭なネゴシエーション能力、バックアップ製品の開発能力、豊富なパイプライン。今のところ、Cephalon社には否の打ち所がありません。